セクシャル・ハラスメント(セクハラ)は、「相手方の意に反する性的言動」と定義されることが多いと言われます(菅野和夫『労働法 第十二版』280頁参照)。
不倫に関するセクハラとしては、
A)自分や相手方を含む誰かの不倫を吹聴する行為
B)有利な地位を利用して不倫の性的関係をもつ行為
が考えられます。
Aの場合は、自分の不倫の自慢話であっても、セクハラとして不法行為の損害賠償責任を負う可能性があります。
また、他の誰かの不倫話の場合は、セクハラとしての側面と、その誰かのプライバシー侵害の側面があります。
いずれにしても、職場で不倫話はしない方が無難です。
有名人の不倫報道の話の場合は、世間話程度の態様であればもちろん法的に許容されるものと考えられます。
Bの場合は、独身どうしでも、既婚者でも、地位を利用して望まない性的関係を持つのはセクハラとして違法な行為といえます。
Aの場合でも、Bの場合でも、使用者(会社側)には、セクハラに適切に対処する責任があります。
被害申告を放置したり、被害者に不利益な処分をしたりすれば、使用者も損害賠償責任を負うことになりかねません。
セクハラの被害にあった方も、セクハラの加害者と指摘された方も、また、セクハラの問題が生じ得る企業の方も、早期に弁護士に相談して適切な対応を探るべきです。