ドラマや芸能ニュースのネタとして、しょっちゅう ”不倫” が使われています。
日本国民はみんな、不倫が(聞くのもするのも)大好きなんでしょうか。
「不倫」は、法律用語ではありません。
「不倫」の意味としては、
結婚している人が結婚相手でない人と肉体関係をともなう交際をすること
というようなものでしょう。
現在は姦通罪がありませんから、
不倫行為そのものは、犯罪ではなく、処罰されません。
しかし、刑事事件とはならなくても、
不倫は、民事事件としては、不法行為の損害賠償の問題になります。
不倫の問題のシンプルな例としては次のようなものになります。
AさんBさんの夫婦がいて、AさんとCさんが不倫関係にあって、Bさんに発覚したとします。
Bさんとしては、
Aさんとの婚姻関係を侵害された精神的苦痛の慰謝料を
AさんとCさんの両方に対して請求できます(共同不法行為の損害賠償請求)。
CさんがBさんに慰謝料を支払った場合、
Cさんは負担した慰謝料のうちのある程度の割合でAさんに負担するよう求めること(求償)ができます。
この例でいえば、大きくは、
1)不倫の事実の認定
2)慰謝料の金額の算定
3)求償の割合・請求
といったことが問題になります。
これらの問題点について話合いでまとまらなければ、裁判になり得ます。
AさんもBさんから慰謝料請求を受けるとか、
AさんとCさんとが共同で賠償責任を負うとかいったことについて、
意外に思う方も少なくないかも知れません。
よく話題になる「不倫」でも、法律関係は意外に知られていません。
不倫の問題に関わっている方(上のAさんでもBさんでもCさんでも)は、
早めにご相談いただければと思います。
AさんやCさんの立場の方、つまり不倫している当事者の方からの相談であれば、
できるだけ紛争が大きくならないように、または負担が少なくて済む方向での処理を考えます。
Bさんの立場の方(配偶者が不倫した方)からの相談であれば、
不貞の証拠やCさんの所在の確認をAさんCさんに気付かれないように行うことや、
Cさんからの慰謝料の回収について、対応します。
(マイベストプロ北海道のコラムで2017年6月15日に公開したものを加筆修正しました。)