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コラム

不倫と営業秘密

企業の役員、社長が不倫をしていることは、珍しいことではありません。

社長が部下と不倫関係を持っていて、社内ではある程度知られているということもあります。

社長が不倫をしているという話は社外に知られると、その会社の信用・評判を傷つけたりする可能性があります。

その企業がどの程度のダメージを負うかは、社長のキャラクターや企業の事業内容等にもよるでしょう。

こういう社内のスキャンダルになる情報は、企業にとっては一種の「社外秘」の情報として、従業員には外部に漏らさないようにして欲しいでしょう。

 

ところで、企業にとって秘密にしておきたい情報(いわゆる「企業秘密」)は、不正競争防止法の「営業秘密」として保護されることがあります。

「営業秘密」に関する不正行為は、「不正競争」の一つとされます。営業秘密に関する不正競争は、損害賠償や差止の対象になる他、刑罰の対象にもなっています。

 

では、社長が部下と不倫をしている情報は、企業の「営業秘密」として保護されるかというと、結論として、「営業秘密」に該当しないと考えられます。

「営業秘密」とされる情報には、3つの要件(秘密管理性、有用性、非公知性)があります。

この3要件のうち「有用性」は、「事業活動に有用な技術上又は営業上の情報」(不正競争防止法2条6項)ということです。この有用性の例示として、生産方法や販売方法が挙げられています(同条項)。

社長の不倫は、企業の信用を落としうる情報ですから、事業活動に有用な営業上の情報と言えそうにも見えます。

しかし、不正競争防止法の目的が「国民経済の健全な発展に寄与すること」(1条)とされていますから、不正競争防止法で保護されるべき情報は、この目的に役立つような社会的な意義のあるものと考えられています。

少なくとも、反社会的なもの、あるいは公序良俗に反するものは、「有用性」のある情報ではないと考えられます。例えば、犯罪や脱税の方法や、覚せい剤等の禁止薬物の製造方法、企業や役員の関与した犯罪行為の情報は、秘密が漏れれば企業の信用を害するとしても、不正競争防止法の法的な保護の対象に値せず、「有用性」を欠いて「営業秘密」とは認められません。

不倫は犯罪ではありませんけれども、社会的には肯定される行為ではありませんので、「有用性」を欠いて「営業秘密」となるのは否定されると考えます。

つまり、社長の不倫は、原則として不正競争防止法の営業秘密としては保護されないでしょう。

 

 

今回、営業秘密についてのコラムを書いたのは、近々、不正競争防止法のセミナーを開催するからです(笑)

札幌商工会議所の士業の集まりのさっぽろサムライ倶楽部シリーズセミナー2019を実施します。

私はこの中で、次の講座を担当します。不倫はともかく、企業の情報や評判の保護に関心のある方にご参加いただければ幸いです。

[11月15日(金)] 11:00-12:00

⑱  不正競争防止法について ~営業秘密や信用毀損の話~

(札幌商工会議所の会員は無料、非会員の方は各講座1名2000円)